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井村 真沙子 薬膳カレー&Café Ka Ku Ra@中目黒

―まずは井村シェフが料理に興味を持ったのはいつ頃で、どんなことがきっかけだったのでしょうか?

 私の母が料理の得意な人でしたので、全て手作りなのが当たり前でした。小さい頃から、そんな手作りの料理を当たり前に食べていて、手作りじゃないジャンクな食べ物も食べてみたいと思ったこともあった位です。(笑)そういう環境で育ちましたので、自然と小学生位から自分で台所に立ち、料理をするようになりました。ある時洋食を作ってみたいと思って、小学生の時カレーを初めて作りました。それが今の原点になるでしょうか。

―小学生から料理を作り始めるのは、なかなかすごいですね。幼少の環境が今に繋がっているわけですね。それから、どのように料理の世界へ入っていくのでしょうか。

 家庭での料理が当たり前で、料理をすることが好きなので、もっと勉強したいと思って大学は家政学部の食物学科へ進学しました。そこで料理の基礎、栄養学などを学び、栄養士の免許も取得しました。卒業後は、大手クッキングスクールに就職し、講師もしていました。

―その若さで講師をされていたのは早いですね!そこからお店を開くことになるにはどんな経緯があるのかとても気になります(笑)

 その頃、20代半ばでしたが、いつか自分で小さいお店をやってみたいというのは考えていました。そこでコンセプトが明確な料理にしようと考えた時、カレーが思い浮かびました。カレーなら一皿に自分のオリジナリティを出せて、どこにもないカレーを作れるかもしれない、そして何よりカレーが好きなことが決め手になったと思います。それでクッキングスクールを辞めてカレーの勉強をすることにしました。それで、都内の某有名カレーのお店でアルバイトで働かせてもらったんです。

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―カレーに決心が固まったんですね!そこからカレーの道へ入っていくわけですね。

 そのカレー店の他にも、その頃マクロビオティックが流行りだして、当時マクロビオティックの先駆け的なお店が話題で、そこもアルバイトで入り、勉強しました。色々飲食店のバイトを掛け持ちしていたので、しばらく忙しすぎて体調も崩したのもあり、食事療法、漢方の勉強もしていました。クッキングスクールを辞めてから約10年間は、料理の勉強期間として色々吸収出来たと思います。元々レシピ本が大好きで、家はレシピ本だらけ。(笑)カレー屋で勉強したことを、今度は自分で食材を買ってきては、自宅で毎日のようにオリジナルカレー作りに没頭していました。おかげで家はカレーの匂いが染み付いて、近所に迷惑だから引越ししました。(笑)

―本当に濃い10年間で勉強したことは多かったでしょうね。そこから、今のお店のオープンに至るには、どんなきっかけがあったんでしょうか。

 私の友人が今のこの店のオーナーを知っていて紹介してもらえる機会があったんです。その時、私の料理を食べてもらったんですが、その時は「どうかな?」と私もドキドキでした。今思えば、オーナーは、私の料理に可能性を見出してくれて、チャンスをくれたんだと思っています。でもそこからオープンする為の、納得のいくオリジナルのカレーに仕上げる迄は、苦労しました。(笑)試行錯誤のカレー作りと飲食店のオープン準備を同時でやっていたこの期間は、初めての事だらけというのもありましたが、それはそれは大変でしたね。(笑) でも、この期間で勉強になったことがたくさんあります。まずは物件探しが大変で。。

―物件探しも井村シェフが直接探したんですか?物件探しは最初の難関かと思いますが、、、

 はい。女性一人で飲食店の物件を探すのは、まずほとんど相手にしてもらえないし、本当に悲しくなりました。場所は、最初から三軒茶屋か中目黒でと決めていましたので、絞って探してはいましたが、ここに決まる迄1年半位かかったんですよ。

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―長い時間をかけての物件決定は嬉しかったでしょうね。そこから店舗デザインや工事に入るわけですよね。

 物件が決まったものの、当初考えていたお店より広い面積で、しかも2階建で2フロアでの営業は想定外でした(笑)でも、オープン日は決まり、もうあとは準備を進めるのみです。まず物件は普通の民家だったので、スケルトン工事をしてというところから始まりました。内装デザインは、知人の女性デザイナーと相談しながら決めていきました。とてもセンスの良いデザイナーの方なので、全面的にお任せしながら、壁は珪藻土を使い、柔らかく落ち着いた雰囲気にしました。インテリアとして流木や貝殻を使いたいと思い、昔運転免許の更新が出来ず、期限切れになってしまっていたのを、急いで取り直しに行き、ほとんど免許取りたての状態で、ハイエースで高速に乗って三浦海岸迄一人で運転した時は怖かったですね。(笑)でも、必要に迫られると、人間って出来るもんですね。(笑)今思い出しても、本当あり得ないと思います。お陰でこれ以来、度胸がついて、食材などの買出しも全て車で自分で行くようになったので、良かったんですよね。(笑)

―本当パワーありますね。でもある意味女性らしい度胸かもしれませんね。
店内工事の準備も進み、スタッフの採用はどのようにされましたか?

 スタッフ採用も1から、求人広告で応募しました。最初ほとんど反響がなくて、あせりましたね。媒体を変えてネットも使った求人広告で出したら、応募が来て良かったと思いましたが、面接、採用、教育、準備と1人で行っていた時期に、父親が大病にかかり、実家に帰りたくても帰れない状況で、あの頃は本当に大変でした。色々な事が重なりすぎて、いっぱいいっぱいだったと思います。今思うとあの頃のスタッフには申し訳ないことをしたなと反省しています。私に余裕がなかったので。。

―飲食店のオープンって皆さん思う以上に大変なんですよね。他にも色々重なって、よく乗り越えたと思います。

 あの頃は、忙しすぎて気づきませんでしたが、やはり周りにいる方にとても支えられました。本当に感謝しています。オープンしてしばらくは、あまりお客様にも知られていなかったので、売上もあまり上がらず苦労しましたが、今はだいぶお客様も増えて、週末はほぼ満席になるんです!本当続けてきて今色々判ることがあるように思います。

-井村シェフが飲食店をこれからやってみたいと思っている人にアドバイスしてあげたいことって何でしょうか?

 自分もまだ勉強中なので、アドバイスなんてまだ言えないかと思いますが(笑)ここまで経験して判ったことは、自分が上に立ってやるのであれば、全体を見れるように努力しなければならないと思います。そこにいる人が働きやすい環境の整備や、色々な知識を身につけるための勉強、人の話を聞くふところの大きさも必要です。全て持っていればいいのですが、そんな人はなかなかいないので、その為の努力が必要だと思います。飲食に限ったことではないかもしれませんが、私がアドバイスしたいことは、あせらずに、物事を全体的に見れるように意識すれば良い方向に導けると思います。

-最後に、井村シェフの今後の夢は何でしょうか?

 今、カレーパンを考案中です!オリジナルのカレーパンを作って皆さんに早く食べてもらいたい!これが今の私の一番夢中になっていることです。(笑)このカレーパンが新しい広がりに繋がるかも知れません。(笑)

【井村シェフのこだわりのもの】

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 「こだわりと言われたら、うちの薬膳カレーです!」と笑顔で即答した井村シェフ。撮影の間中、香しきカレーの誘惑に我慢していました。今回紹介頂いたカレーは、お店でも人気で一押しの「ハーフ&ハーフ 野菜雑穀カレー」茶色のかくらカレーと黒カレーの味が両方楽しめ、すべて国産の野菜にこだわり、薬飯(やくはん)と言われる麦、もちきび、もちあわ、クコの実、ナツメなど全8種類の雑穀入りご飯を一緒に食べると、体の中が浄化され、水を一切使わない濃厚なオリジナルのカレーがとても満足感の高い今まで味わったことのないカレーです。帰りにカレーを頂き、とても満足し、井村シェフに「本当に美味しいです!」と伝えた時の、井村シェフの「その言葉が何よりも一番嬉しいです。愛情込めて作ると本当に美味しいって言ってもらえるんですよ!これは間違いありません。(笑)」と満面の笑顔で楽しそうにお話されていました。

【インタビューを終えて】

 初めてお会いする時、とても小柄で可愛らしい女性が現れ、深々と頭を下げて、「宜しくお願いします」と穏やかな笑顔を浮かべて丁寧にご挨拶して頂いたのが、とても印象的でした。インタビューが始まると、とても気さくにお話頂き、井村シェフの熱いパワー溢れるお話が楽しく、とても引き込まれました。時にシャイなご様子で、自信なさそうに語る井村シェフなんですが、今までの多くのご経験と好きなことに一生懸命取り組んでいる井村シェフの目はキラキラしていて、今の時代に生きるパワー溢れる大人の女性だなと実感しました。最後の夢をお伺いした時の、カレーを更に進化させて、たくさんの人に食べてもらいたいという井村シェフの目は、将来の大きな野望も感じさせる経営者の眼差しでした。